ゆとりだけにゆとりある生活を送りたい、キスケです。
「嫌われる勇気」の続編にあたる「幸せになる勇気」を読みました。
この本、ためになるんですが、ある登場人物の暴言がひどすぎて、僕みたいな不真面目な人間は暴言が気になって肝心の内容が頭に入ってきません。
今回は、幸せになる勇気に出てくる暴言の数々を紹介します。
幸せになる勇気の概要
この本は、アドラー心理学の観点から、幸せになる方法について書いた本です。
哲学者と青年の対話形式で、専門的なことがわかりやすく解説されています。
嫌われる勇気と同様、僕にとっては目からウロコの内容でした。
暴言の犯人は、この青年です。
本の中では否定されていますが、この2人の関係は師弟関係といっていいでしょう。
嫌われる勇気で哲学者の言葉、アドラーの思想に感銘を受けたひねくれ屋の青年は、意気揚々と外に飛び出して行きました。
彼はそれまでの仕事を辞めて教師になり、アドラーの思想に基づく教育を実践しようとしました。
ところが、嫌われる勇気から3年後、幸せになる勇気の冒頭で、彼はこう言うのです…
結論から申し上げると、アドラーの思想はペテンです。いや、それどころか、害悪をもたらす危険思想と言わざるをえません。
青年、何があった!?
嫌われる勇気でもその瞬間湯沸かし器っぷりをいかんなく発揮しましたが、幸せになる勇気では、さらにパワーアップして帰ってきます。
青年による哲学者への暴言の数々
目次
ぺっ!!
ぺっ!!どうせ説教じみた隣人愛を語るのでしょう。聞きたくもありませんね。
10ページ目、アドラーの思想を説明し直そうとする哲学者に対して。
ツバ吐いちゃったよ!
ちぇっ、なにが「人間への尊敬」だ!
ああ、またしても道徳のお説教だ!そうじゃなければ宗教だ。(中略)ちぇっ、なにが「人間への尊敬」だ!(中略)あの問題児たちをどうやって尊敬しろと!!(中略)まっぴら御免ですね!
クラスの問題児を人として尊敬しろという言葉に対して。
気持ちはわかりますが、とにかくキレすぎです。舌打ちまでしちゃって…
ああ、なにもわかっちゃいないな!
ああ、なにもわかっちゃいないな!その議論がすでに抽象的なのですよ!
アドラーが「共同体感覚」という抽象的な言葉を「他者への関心」という具体的な言葉に置き換えたという説明に対して。
気持ちはわかるんです。「どこが具体的やねん!」て、僕も思いますよ。でも、師に対して「なにもわかっちゃいない」ってさすがに言い過ぎ笑
思想の熱にやられて頭が焼き切れてしまったようですね!
思想の熱にやられて頭が焼き切れてしまったようですね!もしも過去が存在しないのだとしたら、「歴史」とはなんなのです?あなたの大好きなソクラテスやプラトンは、存在しなかったとでも?そんなことを言っているから、非科学的だと嘲笑されるのですよ!
「不幸だった過去を肯定することで、今の自分を肯定しようとすることは認められない。同時に、理想とは程遠い自分の存在を「あの学校のせいで」とか「あんな教師がいたから」と過去のせいにして正当化するべきでない」という言葉に対して。
ボキャブラリーがすごい。ここまで言われて怒らない哲学者は一体何者…
いい加減にしろ、この鉄面皮め!
いい加減にしろ、この鉄面皮め!なにが悲劇の安酒だ!(中略)あなたには虐げられた人間の痛みがわからない。虐げられた人間を侮辱している!
「不幸な過去に縛られていると思っている人がいるが、実際は縛られていない。悲劇の安酒に酔った悲劇のヒーロー(ヒロイン)になるべく、不幸に彩られた過去を必要としている」という言葉に対して。
本当に気持ちはよくわかるんです。でも、「いい加減にしろ!」って最近漫才くらいでしかあんまり聞かない。
ええい、腹立たしい。次っ!
ええい、腹立たしい。次っ!
哲学者は、教師である青年の生徒たちが問題行動に出る原因を5つの段階に分けて説明します。
どの説明もなかなか納得できるものではありません。これは第3段階の説明が終わったときの言葉。
哲学者はずっと敬語で喋っています。もうなんか青年の方が偉いんじゃないかと思えてきます。
こ、この忌々しい毒虫め!
こ、この忌々しい毒虫め!興奮して声を荒げるわたしを、未熟な人間だと嘲笑っているのですか!
青年が「自分の意見を押し通そうとするために、声を荒げたりして相手を威圧する「暴力的」なコミュニケーションをしている」と指摘されたときの反応。
ぐうの音も出なくなって、ついに師匠のことを「毒虫」と言い始めました。青年の暴言はここから一気にフルスロットルです!
軽口を叩くな、このサディストめ!
軽口を叩くな、このサディストめ!「お前はどこにでもいる平凡な人間だ」などと言われて、侮辱を覚えない現在人がどこにいる!!「それも個性だ」などと慰めを受けて、真に受ける人間がどこにいる!!
「自分が平凡な人間であることを受け入れよ」という言葉に対しての反応。
哲学者のことを本当に師匠だと思っているのでしょうか。完全に思ってないですね。
いまごろあなたの鼻骨は、この拳でへし折られていたことでしょう
・・・・・・いや先生、あなたはわたしの自制心に感謝しなけりゃなりませんよ。もしもわたしがあと10歳、いや5歳でも若く、これだけの自制心が備わっていなければ、いまごろあなたの鼻骨は、この拳でへし折られていたことでしょう
青年が「あなた自信が不幸なのに、子どもたちを救済することはできない。そしてあなたは子どもたちを救済したいのではなく、自分の存在価値を実感したいだけだ」と指摘されたこと対して。
ついに暴力の匂いがしてきましたよ!!
こりゃ傑作だ。アドラーを解く御方が怒っていらっしゃる。
・・・・・・ははっ!お前のような無礼者など、もはや弟子ではないと?こりゃ傑作だ。アドラーを解く御方が怒っていらっしゃる。
「あなたはわたしの弟子ではない」という言葉への反応。
いや青年の方がずっとキレっぱなしだけどね!この青年、煽りスキルもかなりレベルが高いです。
冗談じゃない!そうやって人の心を操っているつもりか
・・・・・・嘘だ!(中略)冗談じゃない!そうやって人の心を操っているつもりか、この偽君子め!!そんな巧言にだまされるわたしではありませんよ!!
哲学者が青年に「無条件の信頼を寄せている」と言ったことに対して。
偽君子とか巧言とか、初めて聞く単語がいっぱいです。こんなに語彙力に長けている上にキレまくる人見たことないなあ~
そんな思想など、汚水をすするドブネズミにでも食わせておくがいい!!
・・・・・・人間とはわからないものですね!まさか隣人愛を説くあなたから、こんな愚かしいニヒリズムの煮汁が染み出てくるとは!!何が「人間の愛」だ!なにが常識へのアンチテーゼだ!そんな思想など、汚水をすするドブネズミにでも食わせておくがいい!!
「世間で語られる愛は本当の愛ではない。「恋に落ちる」という行為はそれを獲得し、所有し、征服したいという物欲と本質的には同じで、アドラーが語る愛とは違う」という言葉に対しての反応。
多彩なボキャブラリーを用いて罵詈雑言を浴びせ続けた青年ですが、最後はベタな「ドブネズミ」で締めくくりました。
おしまいにしましょう
このあたりで、おしまいにしましょう。そして今夜を、最後の面会としましょう。
語り終えた哲学者の言葉。
「やっぱり哲学者も好き勝手言われすぎて、さすがに2度と会いたくないのかな?笑」と一瞬思えなくもないですが、青年の人間として、哲学者としての自立を促すために言った言葉です。哲学者、どこまで出来た人なんだ…
まとめ
これだけ哲学者に暴言を吐き続けた青年ですが、最後は「落ち」ます。どのように落ちたのかは、実際に読んでみてください。
青年の暴言には思わず笑ってしまうと思いますが、すごくためになる本ですよ!
僕の中で、この青年の台詞は全て、カンニング竹山で再生されています。
コメントを残す