ゆとりだけにゆとりある生活を送りたい、キスケです。
僕は6年前にレーシックをしました。手術を受けたのは2011年3月12日のことです。
手術の予定日は3月11日でした。
手術を受けた当時の記憶と、手術を受けてからの僕の目の状況についてまとめます。
レーシックを受けた理由
「大学生になったら何か自動的に彼女ができる!」
大学入学と同時に一人暮らしを始めた僕は期待に胸を膨らませていました。
・・・(‘ω’)
・・・・・・(‘ω’)
・・・・・・・・・・(‘ω’)
当然ながら出来ませんでした。
彼女は自動的にはできない。何かやらないとダメだ!
そう思った僕は、色んなことに手を付けました。
ファッション雑誌を読んで服を買ったり、天然パーマなので縮毛矯正をしたり、髪を昔のロバートの馬場さんばりに緑色にしたり、バイクを買ったり…
それはそれは迷走していました。
レーシックは、そんな感じで、モテるための一つの選択肢として思いつきました。
僕は中学生の頃からメガネを掛けていました。
当時の僕は、メガネの度のせいで目が小さく見えることがモテない原因の一つだと思っていました。
でもコンタクトは疲れるし…どうしよう、と悩んでいました。
たまたまそんな話を帰省したときに地元のオッサンにしたら、そのオッサンが実はレーシック経験者で、両目とも0.1以下だった視力が1.0近くまで回復しているというのです。
それを聞いた僕は、「レーシックやるしかねえ」と思い至ったのです。
レーシックの手術当時の記憶
レーシックを受けることを決意した僕は、バイトで10万貯金して、親にお願いして10万円もらいました。
そして、大学生にとってはかなり大金の20万円を握りしめ、2011年3月11日の昼過ぎ、手術を受けるため品〇近視クリニックの前に経っていました。
東京に来たのは中学ぶり、一人で来るのは初めてでした。しかも銀座。ザギンです。
それはそれは緊張していて、まるで童貞のようでした。いや、童貞でした。
クリニックの中は人はそんなに多くなくて、今ほど良くも悪くも話題になってなかったのかなと思います。
【追記】
レーシック手術のピークは2008年、手術件数は年間で45万件だそうです。
6年後の2014年は5万件と、激減しています。
僕がレーシックを受けた2011年は28万件と、ピーク時よりは減少していますが、レーシックが話題になっていなかったということではなさそうです。
僕の場合、手術予定日の3月11日は年度末かつ金曜日と、社会人にとっては平日な上に忙しい時期だったから空いていたのかもしれません。
1.適応検査
手術を受ける前には適応検査が必要です。
「削れる角膜があるかどうか確認する」というようなことを言われたと思います。
この検査には無事クリアしました。
2.手術内容の説明
検査をパスした後、眼科の先生と問診を行い、手術に同意するための説明を受けました。
手術の失敗や後遺症について、当時でもインターネット上でちらほら情報があったので聞いてみたら
「僕の知ってる限りはないですね」とのこと。
「僕の知ってる限りは~」という言葉、便利な言葉ですよね。
就職活動中に今の職場の座談会で、先輩が「僕は知ってる限りはサービス残業は無い」と言っていたのが就職して嘘だと知ったときから、この言葉は信頼できる度20%くらいだなと思っています。
・・・話を戻します。
先生、メガネ掛けてました・・・
「説得力ZERO~」とツッコミたくなりましたが、都会に出てきて完全にビビっている僕は何も言えませんでした。
3.手術待ちからの手術中止
手術内容に同意したら、手術の待合室に通されました。
5~6人が既に待っていて、結構なペースで呼ばれていったのを覚えています。
少し待った後、かなり大きめの地震が発生しました。これが東日本大震災でした。
レタースタンドが倒れ、女性の患者さんが軽く悲鳴を上げていました。
すぐにスタッフの方が駆け付け、そのまま待機するよう言われたと思います。
その後、副院長だったか偉い先生が現れ、その日の手術は全て中止にして、明日以降にすると言いました。
ちなみに、その先生もメガネ掛けてました。
あと、地震発生時、手術中だった患者さんは無事だったのでしょうか。
4.アパートに帰れず、駅で寝る
とりあえず帰ろうとエントランスホールに行くと大勢の人がテレビを見ていました。
そこでどんな映像を見たかよく覚えていませんが、東北地方に甚大な被害が出ていることはわかりました。
駅に行きましたが電車が動いていなかったので身動きが取れず、クリニックに戻って時間を潰しました。
クリニックではレーシックの術後の検査で岩手だったか青森から来たというおじさんと話しをしました。話したのはせいぜい10分くらいだったと思いますが、おじさんは地震のことにはほとんど触れず、レーシックでものすごく良く見えるようになってやってよかったとしきりに言っていたことを覚えています。今思えば、不安で仕方なかったと思います。
その後、手術もできないし早めにクリニックが閉まったんだったような気がします。時間はよく覚えていませんが、アパートには帰れそうにないので、翌日の手術を希望しクリニックを後にしました。
日帰り手術の予定で宿を取っていなかったのでホテルを探しましたが、考えることは皆同じで既にどこもいっぱいでした。
暗くなってから、私鉄が一部運転再開したので、とりあえずターミナル駅へ行こうと思って東京駅へ行きました。
東京駅では駅員さんが毛布を配ってくれたので、それを構内に敷いて寝ることができました。
他にも同じように立ち往生となった人が駅にはたくさんいました。
※私鉄に乗った時の切符です。改札が止まっていたので回収されずにそのまま持っていました。
5.3月12日、手術仕切り直し、帰宅
翌朝、開院とほぼ同時にクリニックへ行き、手術を受けました。
僕が受けたのはエピレーシックという種類の手術です。
点眼麻酔をした後、レーザーを目に照射されます。
緑の光を見つめ続けるように言われ、じっと見つめていると急に見えなくなり、しばらくするとまた見えるようになりました。
急に見えなくなったときは失明したのか不安になりました。
手術終了後は目がにじんであまり周りが見えませんでした。
休憩させてもらい、ちょっと見えるようになったぐらいで、何種類かの目薬と変な形のサングラスを渡され、帰るよう促されました、
サングラスは家に着くまで目の保護のために掛けておくように言われました。ちゃんと掛けて帰りましたが、恥ずかしかったです。
帰りの電車は、止まりまくりでした。行きの時間の2~3倍掛かったと思います。
電車の中で一緒だった家族(夫婦+子供+おじいちゃんおばあちゃん)が、ひたすら「コース料理の存在意義」について話をしていたのを覚えています。家族全員一致で「料理は全部いっぺんに出せばいいんだ」と息巻いていました。コース料理に何かトラウマがあったんでしょうか。
麻酔が切れた後、とにかく目が痛くて仕方ありませんでした。渡された目薬を差しまくってなんとかしのぎました。
角膜がズレるかもしれないからと、術後何時間かは寝ないように言われたので、目が痛いのに起き続けるのがつらかったです。
手術2日後くらいになると痛みが引いてきて、1週間後の術後検査では無事両目とも視力2.0となりました。
その後について
目の状況
レーシック手術を受けてから視力は若干落ち、現在両目とも1.2~1.5くらいです。
副作用としては、特に暗いところで光がまぶしく、にじんで見える「ハロ・グレア」が術後ずっと続いています。
信号機の光など、エヴァンゲリオンの使徒殲滅時の十字架みたいに伸びて見えます。
使徒 十字架 – Google 検索
最初はかなりストレスでしたが今は慣れました。
とはいえ対向車のハイビームはかなり眩しいです。ただ、レーシックを受けてから本格的に運転するようになったので、手術前と比較することはできませんが。
他の副作用や後遺症は今のところありません。
レーシックしたらモテたのか?
モテませんでした。
むしろ、今の嫁も含めて「顔が残念な分メガネとかでできるだけ隠した方がいい」と言われ、結局伊達メガネをかけていました。
コンタクトのCMで、女の子が度入りメガネをやめたら、意外と目が大きくてモテるみたいなのがありましたが、良く考えればその子はメガネ掛けてても可愛かったです。
レーシックして良かったか?
メガネを掛ける手間自体はなくなりましたが、そもそもメガネを掛けることをあまり煩わしく思っていなかったので、レーシックして良かったは正直微妙です。
これから先、何か目に異常が起きない可能性はゼロではありません。その原因がレーシックかどうかは確かめようがないかもしれませんが。
もしかしたら今後何かあるかもしれないと不安になることがたまにあります。
あと、僕はあがり症で、人前で何か話すときはあえてメガネを取って裸眼で臨むことで、あまり目が見えず緊張しないで済んでいました。
レーシックをしたことで、いつでもどこでもくっきり見えるので緊張しないで済む手段がなくなってしまいました。
あとがき
今回の記事を書くにあたり、記憶を掘り起こすためにクリニックのホームページを見てみました。
医師紹介ページの先生方は全員メガネを掛けていませんでした。
既に色んな人からツッコまれてたんでしょうね。
【追記】
同じ病院で働く医師が、「手術は最終手段だと思う」と言っていました。
手術とは、「侵襲性のある」=「体を傷付ける」治療法です。
体を傷付ける以上、どんな手術であれ少なからずリスクはあります。
保険適用のある一般的な手術は、手術することのリスクよりも手術しないことのリスクが大きい場合に行うのが通常です。
レーシックは、元々健康な人の目に対して行う手術なので、「手術することのリスクよりも手術しないことのリスクが大きい」という状況はなかなか発生しにくいと思います。
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